井土ヶ谷まわりのプチ近代史跡巡りを思い立って、暑い日差しにもめげずに徒歩で出発。想像以上に趣のある大原隧道を歩いた先の清水ヶ丘公園ではギリギリ紫陽花を見ることもできて、結構充実した散歩になりました。
・獅子頭共用栓は明治初期に輸入された水栓金具
・大原隧道は昭和初期に作られた人用トンネル
・清水ヶ丘公園には”アジサイ階段”
地図を見ていたら、清水ヶ丘公園の下にトンネルが走っていることを発見。なんどか公園まわりを歩いたことはあったものの今まで全く気づいておらず、でもそこそこ由緒あるものの様。さらにその近くには「獅子頭共用栓」なるものもある様なので、ますます興味がわいて実際に行ってみることに。
獅子頭共用栓は明治初期に輸入された水栓金具
横浜水天宮脇の細い道を清水ヶ丘へ向かってだらだらと歩いていくと、首都高狩場線の巨大なアーチの真下に不思議な公園「フレンド公園」がありますが、その反対側、巨大なコンクリートの足の根本付近にホンのちょっとだけ赤レンガの構築物。
中には涼しげな青と水色のタイルが貼られ、すり減ってわかりにくいながらよく見るとライオンの顔かも?と思われる物体からチョロチョロ水がしたたり落ちる金属の柱が1本。
この「獅子頭共用栓」は、明治初期に横浜で上水道を整備する際にイギリスから輸入されたもので、全部で数百本設置されたものだそう。気になってwebで調べてみたものの、いつ設置されたのか(多分狩場線工事の後だろうけれど)、本物なのか(まぁレプリカでしょうけれど)、なぜここに作られたのか(大原隧道にあやかって?)、などの詳細な説明を見つけることができなかった、不思議なオブジェ。
もっと積極的にアピールすべき由緒あるものなのか、あるいはそれには及ばないほどありふれたものなのか、それすらもよくわからないけれど、まぁ「良いものを見た」ということにして、さらに先へ。
大原隧道は昭和初期に作られた人用トンネル
獅子頭共用栓から少し上がった先にある「大原隧道」は、西谷の浄水場から蒔田の方へ水道を通すために掘ったついでに人も通れる様にしたトンネル。くすんだ紫色のレンガと花崗岩が積まれた入口は「昭和初期の欧風建造物」の香りに満ちていて、一目で「由緒ある」ということがわかる佇まい。
入口から反対側に向かって見事に「一直線」(250mほどあるらしい)に伸びるトンネルは、上半分が波板状のパネルを貼ったアーチ状。人がすれ違う時にはちょっと気をつかうかな、くらいの細い道を進んでいくと、どんどんヒンヤリしてくる感じはさすが土の中。最も高いところに照明が一列並んでいるけれど、昼間はともかく夜はちょっと一人では通りたくないかも。
反対側の入口の造りも、南太田側とほぼ一緒。多分このトンネルの下にさらに水道管が通っているのだろうけれど、これだけ掘っていくのは大変だっただろうなぁ、と思います。
清水ヶ丘公園には”アジサイ階段”
今日目当ての”史跡”を2つとも見終わって、でも同じ道を戻るのはつまらないので、清水ヶ丘公園の丘を越えて井土ヶ谷方面へ戻ることに。
清水ヶ丘公園のコチラ側に来るのは初めてだけど、まぁ高い方へ向かっていけば超えられるだろう、と思って先へ進むと、上の方にアジサイがチラホラ。ここにもアジサイが生えているんだ、と思ってのぼっていくと、階段を中心にアジサイが群生している一角に遭遇。
街でたまに見かけるアジサイはどれも干からび始めていましたが、この一角のアジサイはまだ瑞々しいまま。残念ながら淡い水色一色のため華やかさはありませんが、そこそこの高低差がある階段に沿った斜面にアジサイが群生する様子はなかなかの見応え。
階段を上った先には屋根付きプールがありましたが、その周囲もアジサイでいっぱい。さすがにこちらは干からびかけているものが多かったのですが、階段側とは異なり様々な色の株が群生しており、もっと早い時期に気づいて訪れていたら…と悔やむこと頻り。
わずか1時間ほどの散歩ではありましたが、史跡あり、思わぬ発見あり、で結構楽しむことができました。
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