SwitchBotでは期待ほどの「スマート感」を得られませんでしたが、一方で「COVID-19感染抑制のため手洗い前に手に触れるものを極力減らす」という大義名分(!)の元でIkea TRÅDFRIによる玄関~洗面所まわり照明のスマート化を実施。安価で組めるのが魅力だけど、ギチギチに造りこみたい人には物足りないかも。
「スマートホームは照明の自動化」から。AppleのIoT規格「HomeKit」に対応した照明器具ではPhilipsのHueとIkeaのTRÅDFRIが知られていますが、コスパを考慮してTRÅDFRIを選択。まずは「お試しセット」的な「ゲートウェイキット」と「モーションセンサ」を購入して、玄関~廊下まわりからチャレンジ。
設定はとっても簡単。「Ikea Home smart」アプリをiPhoneにいれて、あとはその指示に従って進めるだけであっさり接続。Ikeaアプリへ登録すると自動的にHomeKitに組み込まれるので、二度手間にもなりません。続きを読む
最初に行うのは「ゲートウェイ」の設置。電源(micro USB)とLANを本体につないで、アプリでゲートウェイ追加を選んでから本体裏に印刷されたQRコード読み取り。
WiFiではなくルーターと有線接続しなければならない、というところが予想外でしたが、ケーブル類も同梱されているので迷うことはありません。また余ったケーブルを本体内に巻き込んでスッキリ見せる工夫がされているあたり、いかにもIkeaな感じです。
次に行うのが「モーションセンサ」や「照明スイッチ」などコントローラ類のゲートウェイへの登録。
始める前は「コントローラも電球も全てバラバラにゲートウェイにつないで、お互いの関係は後からアプリ上で作りこむ」と思っていたのですが、常にコントローラと電球はセットで登録する、というのがIkeaのお作法。
コントローラの登録も、やはりアプリに沿って実施。コントローラに電池を入れてから、アプリでコントローラ追加を選び、コントローラの認識用ボタンの長押し。この時に「コントローラをゲートウェイの2cm以内に近づけて操作する」ことがキモ。従って、ゲートウェイを棚の上などへ押し込むのはコントローラ類の登録が終わってからにすることをお勧めします。
次にいよいよ電球の登録。
照明器具に電球をとりつけて点灯させて、アプリで「電球追加」を選んで電球の2cm以内に登録済のコントローラを近づけて認識用ボタンを長押し。一度登録した電球は他の場所に付け替えても設定は変わらないため、手の届かない様な場所で使いたい時には一旦手近の場所で登録してから移設、でOKです。
例えば同じモーションセンサで複数の電球をオン・オフさせたい場合は、同じモーションセンサを使って一個ずつ登録作業を繰り返します。
これでモーションセンサに応じた自動点灯/消灯はもちろん、先日購入したHomeKit miniからSiriにオン・オフを頼んだり、「ホーム」アプリで明るさや色味を自由に変えたり、さらに「○時になったら自動点灯」や「○時以後は電球色」の様な「スマートっぽい」操作が可能になりました。
イイ感じで動作することがわかったので「玄関からトイレ・洗面台までノータッチで自動点灯/消灯」を目指して電球とモーションセンサを追加購入してセットアップ。せっかくなのでHomeKit対応の電源プラグにヒーターをつないで「トイレの電気がついたらヒーターも起動,5分後に自動停止」という防寒対策まで施して、おかげで最初は「意味わからない」と訝っていたツレも満足の環境が実現。
ただ例によって、ここまでやって「なんか物足りない」感がムクムクと。ハンズフリーで点灯するのでとても便利になったけど、例えば消灯までの時間やその時の時刻に応じた色味・照度の変更などの細かい造りこみはTRÅDFRIだけではできないことを発見。もしかして「単純な人感センサ付ライトでも実現できたのでは?」という、構想を根幹から揺るがす疑問です。続きを読む
HomeKitに登録された各機器は「ホーム」アプリ上で細かく設定できるのですが、なぜかIkeaのモーションセンサなどコントローラなどは表示されていません。Ikeaアプリを見ても、同様です。
普通は各モーションセンサなどが反応した場合の対応(どの電球を、どんな色味と明るさで点灯させるのか、など)は「ホーム」アプリの「オートメーション」で作りこむのですが、肝心のモーションセンサが表示されないため、それをトリガーとした制御を記述することができないのです。
どうやらIkea TRÅDFRIでは、各電球を登録した時に使ったコントローラとの結びつきがそのまま維持され、アプリ上で変更することはできない仕様になっている様です。
登録した時のモーションセンサに応じてちゃんと点灯/消灯しますが、消灯までの時間などは固定されていて変更できません。「周囲が明るい時でも点灯させる/暗い時しか点灯させない」と「明るさ100%で点灯させる/光量を絞る」の二つはモーションセンサ内にあるスイッチで選択できますが、これをアプリで変更することはできません(旧モデルでは消灯までの時間も3段階で選べた様ですが、現行品では廃止されてしまいました)。
また、一つの電球に複数のコントローラを繋ぐこともできません。最初にモーションセンサを使って登録した電球の近くにリモートスイッチを持っていて「登録」操作をすると、その電球とリモートスイッチが紐づけられて、モーションセンサとの関係は失われてしまいます。
もちろん各電球は自由にアプリでコントロールすることができます。アプリで色味・照度を変更すると、モーションセンサなどが動作した場合にはその色味・照度で点灯します。
また、アプリ上で点灯/消灯も自由にできます。ただし、例えばモーションセンサに紐づけされた電球をアプリで点灯させた場合には、人がいなくなっても自動消灯しません(アプリで消灯させた場合でも、モーションセンサで自動点灯します)。
もしかしたらこれら機能を省くことで TRÅDFRIのコントローラは安価になっているのかもしれません。
なお「このコントローラが反応したら」という制御を作ることはできませんが、「この電球が点灯したら」で作ることは可能です。これを使って今回トイレでは
・モーションセンサを使って電球を点灯させる
・その電球が点灯したらヒーターを繋いであるHomeKit対応プラグに5分間通電させる
→トイレに入ると照明とヒーターが自動的にオン・オフする
を実現しました(ちょっとまだるっこしいけど)。
HomeKit対応のモーションセンサはIkea以外からも販売されており、それらを使えばTRÅDFRI電球含めて各機器を直接制御することが可能です。そのかわり高価で、またアプリ上で作りこむ手間も当然発生します。一方で「そこまで必要か?」と考えると、今の状態で充分満足(今のところ…)。
「スマートを極める」という意味では物足りない面があるものの、必要な機能をリーズナブルな値段で揃えられるということがIkea共通の特徴の一つだと思います。また他のHomeKit対応製品と自由に組み合わせることで拡張も可能なので、とりあえずはスマートホーム/スマート照明をやってみたい、というニーズにはピッタリかと思います。
Ikea,スマート照明TRÅDFRI(公式)
(その後の顛末) せっかくハンズフリー化したのに、どうしても無意識でのスイッチ操作がとまりません(習慣って恐ろしい)。TRÅDFRI電球は6回オン/オフをすると設定が初期化される設定になっており、そのせいか反応しなくなることが数度。そこでAmazonを漁って、自動化した照明の壁スイッチにスイッチカバーを設置。適当にそれらしいものを選んだだけなので、正規の使い方なのかどうかは判りませんが、とりあえず誤操作は無くなったので良しとしましょう。
(その後の顛末-2) IkeaのHome smartアプリのバージョンアップにより、モーションセンサがHomekitから直接認識される様になりました。このため、センサと照明の間の結びつきを自由に定義できる様になった他、センサが反応した時の時間によって色と明るさを変えたり、他のhomekit対応デバイスと連動させるなど「スマートホームっぷり」が増しました。素晴らしい!
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