釜石プチ旅行(11/15~17)

お出かけ

 ラグビーW杯での(予想以上の?!)盛り上がりの影響か、釜石のスタジアムが見たくなって急遽釜石へ行くことに。あの3.11から1年後、2012年の夏に一度この地を訪れて(クルマで通過しただけだけど)以来となりますが、街は復興した様な、していない様な…

 釜石でラグビーを見よう!と思って調べたら、始発に乗っても11:30のキックオフには間に合いそうにない!ということがわかり、金曜夕方発の2泊3日プチ旅行が確定。さらに乗り継ぎをチェックすると新花巻駅から釜石駅まで直線60kmほどで2時間かかることがわかり、念のため車移動を調べてみると1時間弱だったので結局新花巻駅からはレンタカー移動に決定(それでも東京駅から釜石駅まで約4時間。遠いなぁ)。
 ごく普通の週末なのに、夕方の新幹線は結構な混雑。今でも週末者故郷へ帰る、という人が多いのかもなぁ、と思って大人しく揺られていると、かなりの人が仙台駅で降車。まぁ仙台なら東京から日帰りビジネス圏内だし普通か、と思っていると、降りた人と同じくらいの人達が仙台駅で乗車。え?ここからさらに先(北)へ行く人がこんなにいるの?と思ってビックリしている内に、新花巻駅へ到着。

 用地買収を安く済ませるためか、どうしても新しい新幹線駅は辺鄙なところに置かれがち。ここ新花巻駅もロータリーまわりには店どころか家すら無く、レンタカーを借りて暫く走って、やっと高速入口周りにコンピにがいくつかある程度。
 花巻から釜石までは震災復興事業の一環として2019年春に「釜石自動車道」が全面開通しており、ここからは楽々釜石へ、と思ったら、なんと途中までは工事閉鎖中。仕方なく真っ暗な下道を走っていくと、なんとなく見たことがある風景。8年前岩手へ来た時にも訪れた遠野の「めがね橋」とも呼ばれる「宮守川橋梁」で、金曜夜だったのでまだライトアップされており、見られてラッキーでした。
 無事釜石の街について、地場のファミレスっぽいお店でご飯を食べて(まぁ普通のファミレスなのに、びっくりするほどお米が美味しくて、さすが東北。レタスもめちゃくちゃ美味しいと思ったら、なんと持ち帰り用に売ってました)、釜石駅に隣接するホテル(元JRホテルらしい)へ到着。ちょっとだけで歩いてみましたが、駅まわりには繁華街らしいものも無く寂れていて、どこへ立ち寄ることも無くそのまま就寝。

 開けて土曜日は復興スタジアムでラグビー観戦。釜石大観音をお参りしてから車で向かうと、ちゃんと(!)スタジアムまわりでは駐車場に向かう渋滞ができていて、県外ナンバーもそこそこ。ちゃんとW杯後も熱が残っている様で、何よりです。

 ラグビー観戦後は駅まわりに作られた「シープラザ釜石」でお土産さがし。街復興の一環として作られた様で、そこそこのスペースに土産物屋が数店と、食べ物屋が数軒。
 お土産は海産物から鉄器まで岩手の名産品が一通り揃っていますが、一方で残念ながら客は疎ら(時期にもよるのでしょうけれど)。食べ物屋は既に何度か店が変わったり、場所を狭めてやっていたりする様で、なんとなく苦戦しているのだろうなぁ、という感じです。

 そしてお土産を買った後は、やはり三陸の海の幸を食べたい!ということで釜石港の「魚河岸テラス」へ。ここも復興後に作られた場所なので、きっとフィッシャーマンズワーフの様に店先で焼いている魚介類を買い食いしたり、釜石港をみながら食事ができるのだろうな、と期待して行ったのですが、大失敗。
 駅からはちょっと離れているのでバスで行ったのですが、そもそも最寄とされるバス停は結構離れたところにあり、しかも周囲は真っ暗。恐々歩いて行った先にあったのは、外観は小奇麗なもののレストランは4軒だけで、土曜の夜なのに人影は略ゼロ。また各レストランの海側の窓は大きくとられているものの、その先に広いテラス(店外のフリースペース)などがあるため海が遠く、またそもそも釜石港自体もひっそりしており、「港の夜景を楽しみながらの食事」などという雰囲気は全く無し。良く晴れた昼間なら気持ち良さそうですが、夜来るところじゃないな、という感じで心底ガッカリ。

 3.11の1年後にこの地を通った時にはコトバも出ないほど壮絶な光景が広がっており、それと比べると釜石の街は駅周りも海沿いもすっかり復興した様に思えます。新しい住居や建物が並び、大きなショッピングモールができて、またいくつかの観光設備も作られて。ラグビー場ができて、W杯が開催されて。
 でも、街を歩いてみると人影は疎ら。シープラザ釜石や魚河岸テラスの様な施設は見た目キレイだけど中に入ると客はほとんどいなくて各お店も苦労している様子。結局はお金を使ってハコモノだけはできるものの中身が伴わず、復興なんて口先だけかぁ、と一瞬思ったものの、でもそれ、本当か?
 そもそも釜石は日本最初の官営製鉄所が置かれ、鉄で栄えて鉄とともに衰退した街だったはずで、元々水産資源や観光を目玉として、それを目当てに観光客が集まってくる場所ではなかったはず、と思うと、元々の生活を取り戻すところまではある程度実現していて、ただ復興にかこつけてちょっと背伸びをしちゃった部分で地に足がついていないだけなのかな、と思ったり。
 あくまでもその場所に住むどころかほとんど訪れたことも無い通りすがりの人間の勝手な想像でしかなく、そんな立場で復興した/しないを論じてはいけないものなのだと思います。が、それでも「あの風景がここまで戻るって、スゴイなぁ」と素直に感じられた、釜石でした。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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