Honda Collection Hall(★☆☆,茂木)

博物館

 栃木へ行く用があったので、午後「ツインリンクもてぎ」の中にある「Honda Collection Hall」見学へ。ここは良くも悪くも「記念車庫」であり、市販車/レース車×2輪車/4輪車の計4パート(+本田宗一郎さんの部屋)に分かれた各部屋は創業以来の実機がズラリ。ひたすらホンダの車/バイクを見たい人にはピッタリ(でも他の人にはちょっと…)な場所でした。

 関東地方のほぼ北の外れ、那須から筑波山へつながる八溝山中の中にホンダが作ったサーキット「ツインリンクもてぎ」。レース関連設備とともにホテルやアスレチック、子供用のカートコースなどを併設して「家族で泊まりがけで遊べる統合リゾート!?(カジノは無いけど)の一角に作られた「Honda Collection Hall」。正直あまりレースには興味が無くて来る機会はありませんでしたが、でもメーカー系ミュージアム好きとしてはいずれ来たい、と思っていた場所だったので、ちょうど午前中栃木に来る用事があったので足を伸ばしてみました。

 広大な敷地の中に作られているだけあって、建物自体とても立派。1F中央は3Fまで吹き抜け、正面前面ガラス張りの贅沢なエントランスホールになっていて、2輪/4輪×レース/市販車+農機(?)それぞれの原点となった実機が誇らしげ飾られています。
 そしてこの吹き抜けホールを境にして左側に2輪、右側に4輪、それぞれ2Fが市販車で3Fがレース車両の展示エリアになっていて、過去から現在(ちょっと前)までのホンダ製品がズラリ。それぞれの車体には小さな説明ボードが添えられてはいますが技術/工学展示は無く、ホンダの製品哲学などを示す様なメッセージも最小に絞られた実機主体の展示になっています。

 正直私自身は(発動機付きの)2輪には全く興味が無いのでレースパート含めてほぼ素通りでしたが、4輪エリアにはCVCCシビックや初代シティ+モトコンポ、CR-X、インテグラ、NS-Xなどなど。改めて「ホンダって個性的なモデルが多いなぁ」と実感(それとともに、トヨタや日産と異なりホンダはシビックやアコードなど所謂「普通のモデル」でも「走って楽しそう」なデザインの車が多いなぁ、とも再認識)。

 またレースパートではもちろん半分以上のスペースをF-1マシンが占めていますが、最初の頃はただタイヤとエンジンがつけられた丸太(!)に過ぎなかったボディが、だんだんとあちこちに膨らみができて、またそれらをつなぐ面の滑らかさが増していき、さらに突起や付加物が増えたり減ったりを繰り返してどんどん複雑化していく様子を見ることができ、技術が発展・成熟していく過程を追う感じがして楽しめました。

 一方で1F右側は開館20周年で追加された「ホンダの原点へ」と称するパート。他と異なりここでは実機は脇役で、主役はもちろん本田宗一郎さん。
 自動車修理から始まって製造業としてまずは2輪でスタートし、農機を挟んでついに4輪へチャレンジして。それぞれの場で宗一郎さんが何を考えて、何を感じて、どう行動するしていったのか、というホンダ創業期の歴史を説明パネルと実機で説明しています。
 多分に脚色も入っているのでしょうけれど、宗一さんが語ったとされるコトバにはそれぞれ重みがあり、この様に創業者のことを誇らしげに(しかも独り善がりではなく)示すことができる会社っていいなぁ、と素直に感じました。

 こんな感じで基本は実機展示中心で、特にホンダ好きの人には充実したミュージアムと思います。ただし残念ながら「結構遠い(最寄のICまででも30km弱)」ということと、ホール自体は無料だけどツインリンクもてぎへの入場料と駐車場代がかかるため「(これだけが目的だと)かなり割高」というのが大きなネック。よほどのホンダ好きでもちょっと厳しいかなぁ、というのが偽らざるところです。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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