秋の味覚(★★☆日影茶屋,葉山)

四季

 健康診断前でお酒を控えている機会を捉え、クルマじゃないと行き辛い葉山の日影茶屋へ。目・鼻・舌で「和の秋」を思う存分堪能しました。

 創業300余年の旅籠から続くとも言われ、またサザンの歌にも出てくる葉山日影茶屋。言わずと知れた和食の老舗料亭ですが、電車などの公共機関では行き辛いのが難点。私自身は「和食は日本酒があってこそ派」なのでカウンターに座れる割烹の方が好きですが、逆に「お酒が飲めない」「車じゃないとダメ」な時は「料亭」の方がじっくりと料理を楽しむことができるし、そんな使い方としてはこの日影茶屋はまさにピッタリ、という感じです(あくまでも私個人の勝手な主観、ですが)。

 葉山の気風からか、それほど堅苦しくない感じがするのも日影茶屋の特徴の一つ(これも、あくまでも勝手な主観、ですが)。国の有形文化財にも指定されている客室棟1Fににあるテーブル席の広間は太い柱や梁に古い和建築の片鱗が感じられる程度で、重厚な外観と比べてかなりシンプル。大きくとられた窓からは中庭や座敷棟など「和」の景色が楽しめるハズですが、夜はガラスが反射してしまってほとんど外が見えないという残念さ(!)で、逆に気負わずカジュアルに料亭の味を楽しめます。

 そうは言ってもそう頻繁に来られる訳では無い(お酒が飲める時には同じ和食でも別の店に行きたいし…)ので「老舗」の雰囲気を満喫してみよう!と「個室」で予約しようと思ったのですが、さすが「満席」の人気ぶりだったので今回も普通にテーブル席。会席のコースでお願いしたのですが、どうしてもwebで見かけた「土瓶蒸し」の誘惑に勝てず(秋ですからね)、椀物を変更してもらって準備万端。

 枯れすすきが無造作(っぽく)に掘り込まれた月形の板に載せた前菜には柿(白和え)と栗(揚素麺のイガ付)が盛り込まれ、続く土瓶蒸しにはもちろん松茸の豊かな香り。お造りと焼き物を経て煮物には桂剥きした大根に油揚げを巻き込んで作った「切り株」の上に松毬(に見立てた慈姑),紅葉(麩),キノコ(本シメジ)が散らされて、そして〆は定番の栗ごはん。視て、香って、そしてもちろん味わって、最初から最後まで「日本の秋」満載のコースに大満足。

 まわりのテーブルもほぼ満席。大半がお年寄りを含めた家族連れ。それぞれが会話を楽しみながら味わっている様で、静まり返って敷居の高さを感じさせられる様なこともなく、またもちろん賑やか過ぎることも無く、そういう意味でもカジュアルに、気楽に、でも美味しいものを楽しめるお店だなか、と改めて実感。

 2時間ほどかけてゆっくり秋の味覚を楽しんだ後で中庭に出てみると、いつの間にか満月からは数日前でまだ少しだけ細い月があがっており、プチお月見。
 庭の片隅には縁台が出されていて風情あるなぁ、と思ったら喫煙スペースだったので、最後の最後でちょっとガッカリして、帰路へ。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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