「深川江戸資料館」へ来たついでに、せっかくなので「深川めし」を食べようと思って目についた「福佐家」にとびこんだら、知る人ぞ知るお店でした。メニューは「あさり丼」だけ、というこだわりの味を堪能することができました。
資料館見学のため訪れた深川の街。さすが、パラパラと「深川めし」「深川丼」のお店が目立ちます。お昼時だし、せっかく深川に来たのだから、と思って見渡すと、ちょうど交差点の反対側に「あさり丼」の文字。なんとなく下町っぽい外観に惹かれてそのまま入店。
店内は4人掛けの真四角なテーブルが2つだけ。両方とも2人客が座っていましたが、ごく普通にお店の人が片方のテーブルの人に声をかけて(椅子の上に置いてあった荷物を片付けさせて)、ごく普通に「こちらへ」。
テーブルにすわって注文しようとすると、「もう入ってます」の一言。
そりゃそうだ。壁にはられたメニュー表には「あさり丼」しかないのだから、入店と同時に自動発注というとてもシンプルなスタイル。でも、壁に貼られていた「こぶ佃煮」も食べたくて、追加発注。
深川飯といえば江戸庶民のファーストフード、と聞いたことがあった(ソース不詳)のですぐ出てくるかと思ったのだけど、10分ほど待って出てきた「あさり丼」は、丼+味噌汁+胡瓜の浅漬けだけ、という非常にシンプルな装い。ですが、丼の中はプリプリの大粒あさりが盛りだくさん。
深川飯には「炊き込み」ご飯スタイルと(牛丼の様な)「ふっかけ」スタイルがあるそうですが、ここ「福佐屋」は「ぶっかけ」スタイル。たっぷりのあさりと長ネギ、そして春雨を醤油で炊き込んだものが白ご飯を覆い、その上に三つ葉が散らされています。春雨や長ネギにはイイ感じであさりの旨みが染み込んでいますが、汁気はほとんど無いためご飯はほぼ白いまま。
プリプリのあさりの美味しさはいうまでもなく、春雨がビックリするほどいいアクセントになっていて、そしてご飯の旨みもしっかり感じられる、シンプルなはずなのだけどとても贅沢なドンプリ一杯。
またこぶの佃煮も期待通りの美味しさ。トロトロのウマウマで、ご飯が何杯でも食べられそう。
じっくりと美味しいご飯を堪能してから改めてwebをチェックしてみると、開いている時間は1日わずか2時間ほど、しかも1日限定20食、あさり丼のみ、というこだわりのお店。使っている千葉のあさりが摂れなければ開店しない、20食が予約で埋まってしまったら暖簾は出さない、という徹底ぶりとのこと。
そんな素敵なお店に行き会わせた偶然に感謝、感謝。
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