JAXA筑波宇宙センター(☆☆☆,筑波)後編;ガイド付きツアー

博物館

 JAXA相模原キャンパスに引き続き、筑波宇宙センターを見学。人工衛星などの展示物でギッシリの「スペースドーム」を見学した後は、宇宙飛行士訓練施設と国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の管制室をまわるガイド付きツアーに参加。でも残念ながら、ちょっと期待し過ぎちゃったのかも…

 webからの事前予約が必要なガイド付きツアーは、この手の設備では珍しく有料(500円)。また筑波宇宙センターの執務エリアに入るため、セキュリティチェックも厳重です。見学者も「写真付身分証明書」による本人確認が必須となっていて、また見学中にちょっとトイレ、というのもダメという徹底ぶり。

 受付を済ませて、まずはJAXA宇宙センターの紹介ビデオ見学からツアースタート。
 ここで行われている業務を大きく6つ(だっけかな)に分けて、それぞれの取り組みを紹介する構成で、よくある”動画付パワポ”ではなく全編動画で作られている気合の入り方は、さすが。小さな子供も来ていたけれど、こういうものを見てしまうと、将来JAXAに入りたくなってしまうだろうな。

 ビデオ見学後はいよいよマイクロバスで「宇宙飛行士養成棟」へ。
 宇宙飛行士養成というと「回転マシンで耐G訓練」とか「大きな水槽の中での無重量訓練」とかをイメージしがちですが、案内されたのは「閉鎖環境適応訓練」と「低圧環境適応訓練」の2つ。
 前者は「隔離された狭い空間の中で長時間いても精神的に不安定にならない」様に確認・訓練するため、後者は「気圧が低い環境で長時間いても健康を害さない」様に確認・訓練するためのチャンバー。どちらも宇宙滞在に必要な重要な訓練ではありますが、大きな部屋の中にある二つのチャンバーを外から眺めただけで中には入れず(模型はあったけど)、宇宙関連設備の見学としてはちょっと微妙…

 他に、無重量状態では血液や体液が上半身に溜まりやすくなる(重力が無いのに心臓などが頑張って上半身へ血液などを送るため)ので、その訓練の様子も紹介されていました。
 ちなみにその方法は「頭側を下に6度傾けたベッドの上で数ヶ月暮らす」こと。食事はもちろん、入浴(清式)や散髪などもそのままだし、当然トレーニングなどの日常活動も「その状態」で行うとのこと。宇宙飛行士になるのも大変です…

 次に向かったのは「きぼう」のオペレーションセンター。ここはさらにセキュリティレベルが1段あがり、写真撮影は建屋内ホールのみ。さらにセンター見学のため別室へ移動する前には「カメラ,ビデオ,携帯電話,スマホ,子供用ゲーム機など全てこの台の上に置いて行ってください」という撤収ぶり。
 そして通された先は、壁に2つディスプレイがかかっている他はテーブルなどの什器も無い殺風景な小部屋。
 ここで日本人飛行士(誰か忘れた)による「きぼう」からのレポート動画を視聴(残念ながらライブではなく録画)。中はこんなで、こんなことをしたり、こんなことをしているんだよ…と一通り終わったあと、小部屋の1面を占めていた窓のブラインドが自動的に上がり、その向こう側に広がるのが「本物の」オペレーションセンター。

 正面の壁は大きなディスプレイで埋め尽くされ、それに向かって何列も並ぶ机の上もモニター類で一杯という構造は、時々ロケットの打ち上げなどでTVに映るNASAヒューストンと略一緒(規模は小さいけれど)。正面左側の大きなディスプレイには「きぼう」の船外実験プラットフォーム(多分)のリアルタイム映像が映され、右側にはここと同じ様な部屋からの映像(NASAのISSオペレーションセンターと常時つながっているそう)。

 おぉ、本物!って感じで一瞬盛り上がったものの、オペレーションセンターの中は閑散としていて、正面ディスプレイの映像にも動きは無く、これまた微妙な雰囲気…
 実はISSは世界標準時で運用されているので、日本の午後12:30は早朝3:30。つまり皆まだ寝ている時間でディスプレイ映像に動きがあるはずはなく、オペレーションセンターが活発に活動しているハズも無いのです(実際、日本18:00でもISSは9:00AMなので、活動しているISSを見学できる可能性は限りなくゼロ、というになりますね)。

 …ということで特に目を引く事柄も無いままオペレーションセンターの見学は終わり、ガイドツアーそのものも終了。特に盛り上がるネタも無く、”映える”写真スポットも無く…
 もちろん利益目的の見学ではないことは理解していますし、もしかしたら外からの圧力で仕方なく用意された(渋々用意した)ガイドツアーなのかもしれませんが、この内容(しかも僅かではあっても有料)だったら無い方がいいのでは?というのが正直な感想。

 結果、口直しというわけではありませんが最初に訪れた見学スペースに再度戻って衛星などを眺めた後、JAXA/宇宙モノのお土産を買って(こちらは宇宙や宇宙飛行士をモチーフにした置物などの小物類・衣類から宇宙食やお菓子類まで、そこそこ内容充実でした)、筑波宇宙センターの見学は終了。
 いずれはロケット打ち上げを生で見たいなぁ…

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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