自然が偶然作り出した「奇岩」「奇観」で有名な野柳地質公園。他では見られない、でも日々浸食されているので近い内には無くなってしまう、とも言われる不思議な光景を見に行ったのですが、悪天候により中へ入れない、という思わぬ結果に。
台湾の北東の端に突き出した、岬というか、地続きの島というか…なんとも不思議なカタチをした野柳。海流と強風による荒波に削られて残ったそのカタチだけでも充分に不思議なのに、そこの海岸に広がる景色は輪をかけて不思議なところ。
黄色いやわらかい地層の上に焦げ茶色の硬い岩盤が乗った不思議な構造をした海岸が荒波に削られ続けた結果、黄色の細い台の上に焦げ茶色の岩が乗っかった、まさに「キノコ岩」という呼称に相応しいカタチをした岩がゴロゴロ並んでいるのが野柳の景色。見た目から「蝋燭岩」とか「「地球岩」「アイスクリーム岩」などいろいろな名称の岩がありますが、仲でも有名なのがクレオパトラの横顔と言われる「クィーンズヘッド」。並んで写真をとるために皆が行列を作るという、観光スポットだそう。
台湾ではぜひ自然の風景も楽しみたいよね、ということで訪問先の一つとしてこの「奇観」エリアを選択。台北市内からは少し離れているため送迎付きのオプショナルツアーを申し込んだのですが、当日の参加者は自分達1組のみ。現地添乗員曰く「冬は誰も行かない」とのことで、お抱えドライバ&添乗員という贅沢な陣容で現地へ。
台北市内では降ったり止んだり、の小雨模様でしたが、北へ向かうにつれて徐々に窓ガラスを叩く雨粒が大きく、また頻度を増し、すぐに路面全体がウェット状態に。さらにクルマが海沿いの道へ入ると、かなり風が強まり、また岸に打ち付ける波も荒れた感じに。やはり日本海のイメージに近いのかな?と考えている内に、野柳地質公園へ到着。
「冬は誰も行かない」と言っていた割には駐車場はクルマで一杯。やはり有名な観光地だからこんな天気でも人が集まるんだな、まぁこんな荒天の中海岸を歩くのもいいか、と思いながら、添乗員さんは嬉しそうに「ちゃんと用意してあります」と渡してくれた携帯用レインコートを頭からかぶって入場ゲートへ向かうも、何か様子がヘン。
なんと荒天候のため急遽閉鎖、立ち入り禁止になってしまった、とのこと。1Hかけて台北から来たのに(座っていただけだけど)チラ見すらできず?!と思ったら、立ち入り禁止となっている奇岩エリア直前の見晴台までは入ってもOKということなので、気を取り直して園内へ(さすがに無料)。
見晴台上はかなりの強風で、またそこから見える「奇岩エリア」には波と風がバンバン吹き付けており、一目で「これはダメだ」とわかる状況。まぁ、これだけの波風に削られたからこそ、この奇観が生まれたわけだし、その様子が直に見られて逆に良かったかも、と(半分)嘯くくらいしかできない迫力の波を眺め、早々に退散(ちょっと待てば収まる、と思える様な状況でもなかったし)。
出口まで戻る途中、1ヶ所だけ人々が賑わっているスポットに立ち寄り。観光客がスナップ写真を撮るために並んでいるのは「記念撮影用に用意された」クィーンズヘッドのレプリカ。大きさまではわかりませんが形状と質感はそっくり(多分)に再現されたレプリカは、他にすることが無いこともあってかなりの賑わい。
レプリカと写真を撮っても…と思いつつも、やはり他にすることも無いので列に並んで写真撮影。せめて人抜きで岩だけで写真を撮りたい、とも思いましたが、ちょっと難しそうなくらいの賑わいだったので大人しく断念。
結局は現地滞在は1時間弱となってしまいましたが、「チラ見」だけでも「奇観」であることは充分理解。近いうちにぜひ再訪したい、と思いつつ、お抱えドライバの運転で次の目的地である「基隆夜市」へ。
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