いすゞプラザ(★★☆,藤沢)

博物館

 今まで何度もクルマで通って「工場があるな」とは気づいていた「いすゞ」。先日、偶然裏にきれいな建物「いすゞプラザ」を発見。中身が気になってwebでチェックしたところ見学できることがわかり、さっそく申込み。

 ここは平日は予約制、土曜・祝日は入館自由という形式で一般公開しており、中は所謂「いすゞ博物館」。
 いすゞの過去~現在のシンボリックな車の実車展示が半分、車の作り方(開発~製造)の説明が残り半分、という構成。

 いすゞが初めて作ったトラックが飾られる受付を抜けた後、最初に目に入るのは大きなジオラマ。港・河川・高速道路・街・山・工事現場を含む(あと、わかりにくいけど海底トンネル)小さな世界。
 夜明けとともに配送トラックが動きだし、続いてバスやごみ収集車が走り出し、火事で消防車が、病人で救急車が走り、工事現場で工事車両が活躍する一方、海や川を船舶や屋形船が行き交い…夜が更けてだんだん車の動きが少なくなる一方で、道路清掃車がそっと活躍…

 ナレーションに合わせて車の動きと信号などが完全に同期。しかも複雑に行き交う多数の車や舟の下には「レールや溝」などが一切無し(多分路面下から磁石で操作しているのでしょう)。
 ビックリするくらい精巧にできている一方で、内容はただ淡々と「一日中街のあちこちでいすゞが活躍しています」だけ。例えば各車の特徴とか、もう少し商品や会社のPRに振らないのはなぜだろう(勿体ないなぁ)?と思ってしまうのは余計なお世話か。

 1F残り部分には「今活躍している車」の展示。いすゞは乗用車から撤退した代わりに、南極観測車などの特殊車両や種々の大型トラックを扱っており、どれも運転席に乗り込めるため子供やその筋のマニアは嬉しいに違いない。

 2Fは、いすゞの車両の開発~製造を説明する展示に結構なスペース。
 開発のパートでは、ちゃんとお客様のニーズを調べるところからスタートし、そのソリューションを探しつつ造形がデザインし、その後設計して、試作して、実験して…という過程をサンプルや模型を取り混ぜながら順を追って説明。
 内容的には小学生では厳しいかな、という感じですが、モノづくりに関心のある人や自動車関連で働いている人にとっては、開発プロセスとツールを丁寧に説明してあるので、とても参考になりそう。

 後半の「製造」パートでは、ミニチュアでラインを再現して見せたり、組み立てや塗装工程を模擬的に体感できる様な仕掛けも用意されており(例えばエアコン~オーディオまわりのスイッチ類を時間内に組み付ける、とか)、こちらは小学生が楽しみながら学べそう。

 そして残りは「いすゞヒストリックカーミュージアム」ともいうべきパートで、初期のバス,トラックから、もちろんジェミニ、そして117クーペの実車展示。残念ながらいすゞは乗用車から撤退してしまいましたが、結構個性的な車を作っていたことを思い出しました(同じジウジアーロのピアッツァが無かったのは、残念)。

 まだ出来て間もない(’17/4開館)だけあって、中は非常にキレイでかつ質も高レベル。車のパートに限れば公設の科学技術館より遥かに内容が充実していて、しかも無料。
 パート毎に大人向き、子供も向き、と分かれちゃっていますが、でも逆にどの年齢層が来ても楽しめるパートがある、ということでもあるので、車やモノづくりに興味がある人、興味を持たせたい人、はぜひ一度は訪れる価値あり、と思いました。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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