7knowlege 7notes <退役>

電気仕掛け

 「一太郎」の産みの親でJustSystem創業者である浮川夫妻が起こした会社metamojiと7knowledgeが開発した手書き入力のノートアプリ7notesが発売。将来有望だけど今は不満も一杯、の発展途上アプリでした。

 前評判通り手書き認識エンジンであるmazecは非常にユニークかつ強力で、今までとは一線を画す文字入力環境を実現しています。手書き文字を認識する、というアプリはいくつかありますが、mazecが他と違うのは「手書きを文字認識した後に、さらに再変換する」点にあります。通常のアプリは「知らない漢字は書けない」「複雑な字を書くのは面倒なのに誤認識が多くて、さらに面倒」という問題がありましたが、mazecは「ひらがなから漢字変換をしてくれる」「かなと漢字が混ざっていても再変換してくれる」ため、例えば「かんじへんかん」「かん字へんかん」「漢字変換」と、どれを書いても活字で「漢字変換」が得られるので、遥かに簡単かつ素早い文字入力が可能です。特にスタイラスを使うと非常に快適な入力環境が実現します。さらにVer2.0から「入力中は手書きに徹して、余裕がある時にあとで活字へ変換」する「後から変換」が追加され、さらに使いやすくなりました。

 こんな強力な入力環境を備える7notesは最強のノートアプリか、というとなかなかそうはいかないのが残念なところ。独自のドキュメントサーバーが必要でオフラインだと機能制限があり、でもオンラインだとサーバーとのシンクロなどに時間を要するため起動が著しく遅い。たいした管理機能は持たないのに一々サーバーとやりとりするためか、何をやるのもモッサリ、モッサリ。さらにいろいろな操作が「 iOSのお作法」に反しているため直感的に使えない…(Ver2.0である程度改善したけど)…

 多くの人がmazecを絶賛しつつ7notesには大ブーイング、というのは、大半の人が「手軽に、素早く使えるメモアプリ」としてのニーズと可能性を夢見ているのに開発側は「スーパーワープロ」を目指しているから、と思います。私自身含めて大半は既にDropboxやsugersync,evernote,google docsなどを使っているため今さら新しいオンラインサーバーなんか必要としてはいないでしょうし、 iPadだけで複雑な文書を完成させたい、とも思っていないでしょう。

 ただ、そうは言っても立ち上がった後は最強のテキスト入力環境であることは間違いなく、日常のメモ書き(特に会議やセミナーなどでのメモ)については紙ノートを卒業し、7notesへ完全移行しました(入力したあとはテキストでevernoteに送って書類整理完了!)。
 既に2時間程度のセミナーでひたすらメモ取り、というのも十回以上経験していますが、「その場変換(=後から変換を使わずに)」でくらべた場合の入力スピードは、速い順に
外付フルサイズキーボード> ZAGGmate ≒ mazec >> ソフトウェアキーボード
って感じ。キーボードを持ち歩くのが苦にならない人を除くと 7notes(というか、mazec)は充分魅力的かつ実用的なソフトと言って間違いありません。

 あーあ、早くネットとのやりとりなどを省略した「シンプル版」が出ないかなぁ(開発元は検討中、とは言ってるけど)…

7knowledge,7notes 900円(App Store)

(その後の顛末) 早くもiPad用7notesがVer2.5にバージョンアップ。ユーザーから総攻撃を受けていた「起動時間」が大幅に短縮された他、ファイル一覧画面も一新。サーバー接続やsyncは新しく追加されたボタン一発でできるようになったため、逆に安心してオフラインをデフォルトにできて、快適感アップ。
 ESCコマンドを彷彿とさせるメニューの深さ(evernoteへの送信とか)は相変らずだけど、随分と使いよくなったなぁ。

(その後の顛末2) mazecが切り出されて他のアプリでも使えるようになると、やはりUIの使いづらさがネックに。またメモと録音の同期が非常に便利、ということに気づいた後は完全にNotablityへ移行してしまい、コチラはすっかりご無沙汰となってしまいました。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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