山陽〜北九州#2;宮島〜呉

水のある風景

 夏休み二日目は、これまた念願だった呉〜宮島へ。本当は呉がメインだったのだけど、ツレの「宮島は台風が近づいて海が荒れる前に言った方がいい」というコトバに従い、まずは宮島へ。

 フェリーにのって宮島が近づくにつれて厳島神社の赤い大鳥居と神殿が目に入り、雨に霞む宮島とあいまって、ちょっと厳かな雰囲気。
 宮島につくと、噂通り道路のあちこちに鹿の糞。特に雨で見辛くなっているので注意しながら歩いていくと、観光地図の前には鹿。あまりにも凛々しく立っているので「剥製かな?さすが!」と思って眺めていたら、やがてピクピクと動きだし、生きた鹿と判明。まるで観光客を出迎える様にポーズをとる姿は誂えた様で、別の意味でさすが。

 何はともあれ、まずは厳島神社へ。水に浮かぶ赤い柱の神殿はとても神秘的で、他では見られない風景。人が多く無いのはきっと台風のお陰か。静かに、ゆっくりと神殿の中を進み、景色とまわりに漂う空気を堪能。干潮になると大鳥居の下を歩けるそうだけれど、ここの眺めはやはり「海に浮かぶ姿」。ツレの一言のお陰で潮が満ちた時間に来れて、感謝。

 そしてここ宮島の名物は「アナゴ飯」と「紅葉饅頭」。広島名物の牡蠣を店頭で焼いている店も多く、誘惑に打ち勝ちつつ商店街を物色。有名な杓文字を売る店も多く出ているけど、繁盛しているのは一軒だけ。携帯マスコット風の小さな杓文字には格言めいたメッセージ。ポイントはその場で裏に名前を書いてくれる点で、家族や友達へのお土産にするのか、一所懸命イメージにあう杓文字を探している子供たちが群がって、大賑わい。隣の杓文字屋さんは閑散(名前を書く、というのは真似禁止なのかな?)。
 そのまま歩いているうちに商店街入口へ。戻るのも面倒なので入口近くにあった「花菱」へ。店へ入るなり女将さんが「うちは広島産のアナゴ。他店は外国産の偽物ばかり。牡蠣もウィルス処理をしてあるのはうちだけで、中には店先を借りているだけのところもあって衛生管理もいい加減、一番危ない」。まぁそうかもしれないけど、そんな他店のネガティブキャンペーンをしなくても…と思いつつ、お勧めのアナゴ飯と牡蠣飯、それに焼き牡蠣を注文。

 出てきたアナゴはどれも小降りで、でもぎゅっと締まった感じで確かに美味。ふつうウナギのようなふっくらとしたものをイメージしがちだけど、本物はこういうものなのでしょう。牡蠣飯もご飯が旨みを含んで深い味。さらにふっくら熱々の焼き牡蠣はさすが本場。(多分)他店よりはお高いけれど、それだけの価値は合ったかも(まぁ、食べ比べたわけではないけどね)。

 厳かな景色と名物を十分堪能して、次の目的地である「呉」へ移動、「呉市海事歴史博物館(通称大和ミュージアム)」と「海上自衛隊呉資料館」へ。

 夜はホテル近くで昨晩見つけた居酒屋「洞来洞来」へ。中はブロックを積んだ簡単な作りだけど個室風に区切られており、広めの一角では里帰りで集まった大学生の合コンっぽい集団。多少凝った料理もあるけれど、焼き鳥とか普通のメニューが美味しいお店。また印象的だったのが銘柄を選んで焼酎のサワーを頼んだらちゃんと酒瓶を持ってきてその場で作ってくれたこと。「そうしないと、どんな焼酎を使っているかわからないでしょ」は納得だけど、今までそんな店は初めてで、ちょっと感動。「広島再生酒場」と銘打っているだけあって、良心的なお店でした。

 そしてその後は、やはり昨晩食べたアナゴの刺身が忘れられず、再び「こつぶ」へ。ちゃんとお店の人も覚えてくれていて、昨晩は食べられなかった「鱧刺」に加えてメニューにあった「生のトウモロコシ」の甘さに感動して、大満足で広島二日目の夜が終了。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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