HAYANUSA 2のリュウグウ着地成功!に触発されたわけではありませんが(でも多少影響されたかも)、「JAXA相模原キャンパス」を見学。狭いスペースながら人工衛星の実物大模型なども飾られて宇宙心をくすぐられる場所でしたが、一方で「将来に向かうワクワク感」などが感じられるものが殆どなく、その面ではちょっと物足りない感じも。
JAXA相模原キャンパスにある「宇宙科学研究所」は、元々は東大の研究機関だったこともあってJAXAの中でも「科学寄り」「技術開発寄り」のトピックを扱う機関。例えば最も有名になったHAYABUSA/HAYABUSA 2に代表されるような「未知の場所」を調べるための科学衛星や探査機とそれに必要な技術を開発し、さらにその打ち上げ/運用/観測を担っています。
そんな「最先端技術の研究施設」ではありますが、今でも東大大学院を兼ねているからか、びっくりするくらいオープンな雰囲気。敷地入口には厳重なセキュリティゲートがあるわけでもなく、親切そうな守衛さんに「見学です」と伝えるだけでOKというカジュアルさ(多分各建屋入口はちゃんとロックされているのでしょうけれど)。
中にある「宇宙科学探査交流棟」は見学用に公開されているもので、宇宙関連技術開発の歴史,ロケット,各種人工衛星,惑星等の探査衛星および探査技術…の様に10数個のテーマに分けて解説と展示がされています。残念ながらそれほど大きな建屋では無いため多くがパネルとミニチュアですが、それでも中央部にはM-Vロケット先端部のカットモデルが聳え、天井からはHAYABUSA 2の実寸大モデルが吊るされており、なかなかの迫力です。
また面白いところでは火星の衛星フォボスの立体模型や小さな月/衛星表面探査ローバーなどもあり、予算は厳しいハズながら、いろいろと手広くやっているのだなぁ、ということがわかります。
さらに屋外にはM-VとM-3SⅡの2機のロケットが横たわっています(本当は立てて置いて欲しかったけど…)。
ちょっと残念だったのは、全体的には「モノ(ミニチュア含めて)の展示」が主となってしまっていて、またカテゴリ分けされているにしてもテーマが多すぎて、結果的に個々がバラバラに存在するだけで、全体的な繋がりが感じられなかったこと。展示物それぞれが大変な技術で大きな成果を上げてきた、ということはわかるのですが、そこから先や、それらが組み合わさった先にどんな世界が広がっているのか、どんな未来を目指しているのか、など「これから」へ向かうメッセージが見当たりませんでした。
宇宙科学分野は最先端の技術領域の一つであることは間違い無いし、日本はこれからも技術先進国として注力していく分野だと思います。だからこそ、その中心となるJAXAには過去の成果だけではなく、人々へ「未来への期待」を予感させる力強いメッセージを発信して欲しいのになぁ、と強く思いました。
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