セーヌ川側から望むと広い芝生の向こうに広がる宮殿様の建物。前庭には青銅砲の方針が並び、また建物入口には第2次大戦時代のものと思われる戦車(ドイツの平たく巨大な重戦車ではなく、小型の砲を備える背の高い軽戦車)。古くから強力な陸軍を誇ってきたフランスの史物が収蔵されていると聞いており、ワクワクしながら入館。
実際の建屋は中庭を囲むロの字型、4階ほど。その中を4区画ほどに区切って各時代の事物が展示されている形式。このため細長い展示室を何階にもわたって歩き回るカタチにならざるを得ず、また内装はキレイに仕上げてあるものの建屋自体は古いためにエレベータなどの設備に乏しく、結果的には結構な運動量を要する博物館です。
実際の展示物は、ナポレオン時代を彷彿とさせる騎兵に関する展示エリア(ピカピカのサーベル、ゴテゴテ飾り立てた銃、そして羽飾りと勲章がついた軍服)、それよりも前、槍と鎧で戦った中世の展示エリア(人間と馬の缶詰!の様な)、そして両世界大戦の時代のエリアにわかれ、それぞれ1/3づつくらいのイメージでしょうか。
鎧、騎兵とも実に煌びやかな物が多数展示されてはいますが、どれもそう大きな差があるわけではなく、また展示の方法もどちらかというと史実や歴史を説明するというよりは「個々の美術品を並べて見せる」という感じが強く、従ってすぐに飽き気味に。
一方で、大戦関連のエリアは逆に史実を語ろうとして小物と説明ボードが多く並べられている一方で「モノ」の展示が少なくて、博物館としてみると迫力不足の感じ。
もちろん、それぞれ由緒あるものでありじっくり見たい、という人もいるでしょうし、あるいはきちんと歴史を学びたいという目的で博物館を訪れる人も大勢いるでしょう。
ただ、一つの博物館でありながらここまでスタイルが違う、というのはかなり珍しい感じ。自分の好みに合えば時間を忘れてじっくり楽しめるし、その逆の場合にはとても物足りない場所になってしまいますが、まぁそれはやむを得ないところでしょうか。