パリからの帰国便は21時過ぎ出発なので時間はたっぷり、観光へ。パリ市内のメジャー処はだいたい行ったことがあるので、知人に勧められたル・ブルジェの航空宇宙博物館へ行って、そのあと軍事博物館にまわるかなぁ、くらいのラフな計画。
びっくりするくらい毎日降り続いていた雨(何度もヨーロッパには来ているけど、こんな天気は初めて)は一転してカラリと晴れ上がり、これだったらOKということでまずはメトロを乗り継いで北駅へ。
ここからバスに乗るはずが、なかなかバス停を見つけられず、さらにやっと来た、と思ったら「反対方向」行。目指す方向は違うバス停(一方通行が多いため、全然違う場所にある)であることかわわかってそちらへ向かうと、寸前でバスが行ってしまう…(しかも再びの雨…)…
ここまでで既に30分余りを費やしているため、さらに次のバスまで30分待つのは断念してタクシーに切り替えて無事到着(途中、延々と続くインド人街は、ちょっと不思議な光景でした)。
ル・ブルジェ飛行場に併設された航空宇宙博物館は、さすがアメリカに次ぐ有数の航空宇宙産業国(そもそも世界最初の飛行機械はフランスの気球らしい)だけあって、入口ゲート越しにはアリアンⅣの雄姿が聳え、展示場内には気球、複葉機、軍用レシプロ機からジェット戦闘機(三角翼が特徴的なダッソーシリーズ!)、そしてコンコルド。
入館料は無料、というのはさすがですが、コンコルドやB747など「有名どころの中に入る」場合は「別料金」というのもまたさすが。
さすがに訪れる人は多くは無い様で、でもなんとなく引退したパイロット&アテンダントさん達らしき御一行様が見学して、さらにカフェテリアでミニパーティーを開いていたりして、ちょっと微笑ましい光景も。
まずは雨がひどくならないうちに、ということで屋外展示から。もちろんアリアンロケットは外から見るしかないのですが、根元まで寄れるためかなりの迫力。そしてB747は一部内張が外されていて骨格や荷物室が見られる、というのがちょっと嬉しい体験。
そしてコンコルド。さすがに実機を見るのは初めてなので、じっくり時間をかけて見学。
翼はもちろん、胴体部分も含めて外観はひたすら「滑らか」。直線部分はほぼ皆無で曲線、局面の連続。どの膨らみ、どの反りにも「それぞれ意味がある」のだろうなぁ、と思いながら隅々まで眺めて感慨一入。超音速の世界には1mmだって妥協が入る余地は無い(ハズ)!
一方の客室内は聞きしに勝る狭さでビックリ。もちろん少しでもスピードを出すために断面積を小さくしたい、という理由からですが、片側わずか二列で頭のすぐ上に迫る荷物入れも極小。終始アフターバーナー吹きっぱなしの燃料費をこれだけの座席数でペイさせようとすると、そりゃぁ全席ファーストクラスでも辛かろうなぁ、と思う一方で、ファーストクラスなのにこんなに窮屈で居心地悪そうでいいのか?って思ったり(まぁ、大西洋横断わずか3時間だからガマンしろ、ってことだろうけど)。
屋外展示場はもちろん、屋内展示場もビックリする程の広さで、航空機関連では実機(および実物大模型)がたっぷりと並ぶ様子は航空後進国の日本から見ると羨ましい限り(一方で英語の説明は充実しているとは言えない、というところはいかにもフランスらしいけど)。片隅には風洞も置いてあって(かなりの小規模だけど、どうやら日を決めて実演もしている様)、単なるモノの展示場ではなく、技術を説明&広める場としてこの博物館は作られているのだろうなぁ、と想像しつつ、見学終了(結局4時間以上いた様)。
フライトまではまだ時間があるので軍事博物館にまわろうか、と思っていましたが、雨がかなり激しくなってきたので諦めて早々に空港へ向かうことにして、市内観光は終了。
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