「23区内唯一の渓谷」等々力渓谷でプチハイキング。これほど緑が深く、自然豊かな場所とは思いませんでした。
・びっくりするほど「渓谷」そのもの
・なぜここに日本庭園が?
・「等々力」の語源とも言われる不動瀧
びっくりするほど「渓谷」そのもの
武蔵野台地の南の縁を多摩川河川敷に向かって矢沢川が削りとってできた「等々力渓谷」。尾山台駅から歩いて1分足らずの場所から700mほどの区間が「等々力渓谷公園」として整備開放されていますが、実際に行ってみると想像よりも深く緑濃い、まさに「渓谷」そのもの。
さすがに護岸は石とコンクリートでしっかり固められ、遊歩道とともに柵も整備されていますが、深い緑の中、水の音や鳥の音を聞きながら歩いていると、ベタベタな表現ではありますが、まさに都会の喧騒を忘れてしまいそうです(途中、頭上には環八なども走っているのに…)。
古墳の頃から人々が住み着き、お堂や不動尊など信仰の対象にもなってきた場所ですが、たしかに何か神秘性をも感じる不思議な空間でした。
なぜここに日本庭園が?
等々力渓谷公園内の下流側端になぜかある、日本庭園。
よくある「江戸~明治時代の誰かの庭園を譲り受けた」という様なものではなく、最初から公園として整備したものだそう。
竹林があって、各所に石灯篭などが立ち、さらに書院もあるので確かに「日本庭園」ではありますが、正直、渓谷沿いの急斜面のあちこちに無理矢理各パーツを配した感じが否めません。また書院脇にそこそこの広さを持つフラットなスペースがあるのですが、そこは普通の芝生なので「日本庭園感」は略皆無。
庭を眺めながらゆっくり休む、という様なスペースもほぼ無く、渓谷散策中の休憩なら、不動の瀧そばにある茶店の方が良さそう。
「等々力」の語源とも言われる不動瀧
等々力渓谷を下っていった先に、小さな祠と崖に嵌め込まれて口から水を吐き出す2頭の竜。それほど勢いよく出ているわけではありませんが、かつては付近に水音が轟くほどで、それが今の地名「とどろき」の語源となったとも言われる「不動の瀧」です。
その脇の石段を登った先にあるのが「等々力不動尊」で、境内はそれほど大きくはありませんが、等々力渓谷とほぼ一体化しているので森が深く、特に不動の瀧からのアプローチにはなんとなく神秘性まで感じてしまいます(ちなみに瀧の脇にある茶店も等々力不動尊でやっているそうで、その和風の趣が周囲に溶け込んでイイ感じでした)。
境内左手には回廊があって渓谷や多摩川の方を見下ろすことができる様になっている様ですが、残念ながら木々が深すぎてほとんど何も見えませんでした(結構立派な造りなので、冬になると葉が落ちて視界が開けるのかも)。
それにしても都内23区内の駅チカにこんな自然豊かな渓谷があって、滝(小さいけど)と茶店があって、さらにお不動様にお参りしてご利益まで得られる、となかなか豪華なスポット。季節によって異なる趣があろうかと思いますが、ぜひ一度は行ってみる価値あり、です。
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