近代プラネタリウム100周年の年に送る体験型プラネタリウム、というイベントが赤レンガ倉庫街で始まったことを知り、早速予約。美しい映像はさすがのMEGASTAR!だし、企画自体も斬新だったのですが、作品としてはかなり残念な感じでした…
赤レンガ倉庫の1号館(小さい方)のホールで期間限定でプラネタリウムをやる、というけどそんなスペースあったっけ、と思いつつも、MEGASTARの開発者である大平さんの作品ということで、また「体験型」という触れ込みにも惹かれて「星と歩くⅡ」を予約(その時にはまだ「歩く」という意味に気づいてなかった…)。
3Fにある受付から続く、暗く細い道の入口床面にはなぜか足ふきマット。足裏消毒必須って、COVID-19の感染防止のためとは思えないし、なんだろう?と不思議に思いつつ先へ進み、小ホールで入場時間待ち。
開場時間になって通されたホールは周囲の壁4面が全てスクリーンになっていて、みなとみらいの夜景を動画で投影中。椅子などは無く立って見る様ですが、50人が入場しているためお互いに視界を遮り合って、また全員がプロジェクタからスクリーンへ投影される画像を遮り合って、なんとなく収拾がつかない感じ…そして、その状態から特に何のアナウンスも無く、作品の上映がスタート。
どうやらここは、周囲の壁4面+床がスクリーンになっていて(入口の足ふきマットは床の汚れ防止のためだった様)、天井中央に吊るされたMEGASTARと周囲に配されたプロジェクタで星空などを映し出し、観客は立ったまま好きな場所で、あるいは自由に歩き回りながら星空に没入する、というコンセプトの様。その考え方は面白いし、特にMEGASTARが作り出す星空は本当に緻密で美しいので「宙に浮いている」感じが味わえます。ただ…
率直に言って今回の作品に何かテーマやストーリーがあった様には全く思えません(少なくとも、全然覚えていない)。さらにシーンとシーンの間の「間」が無駄に長く、全体的にひどく冗長で退屈、というのが正直な感想。
どうやら「星の中を自由に歩いてもらう」という意味で「星と歩く」という作品名なのだと思うのですが、かなり暗いので他人とぶつからないか、またお互いが見ているものを邪魔し合わないか、などが気になって全然歩く気にはなりません(実際に一緒に見ていた人の殆どは動かなかったし、動き回った数人はとても邪魔でした)。観客それぞれが「歩いて楽しむ」ことを狙いとして作品を作るのであれば、自然に(勝手に、ではなく)皆が歩き出す(しかも邪魔し合わない)様に誘導する仕掛けなどを作品中に織り込むべきだと思うのですが、その様な工夫は全く見られませんでした。
せめて同じ映像でも、普通のプラネタリウムの様に椅子に座って頭上に覆いかぶさる様に投影されるスタイルであれば周囲を気にせず星空に没入して楽しめただろうに、と思うので、なんとも残念でした。
前回訪れたプラネタリア横浜といい、何か技術は良いのに企画が悪いプラネタリウムが多い様に感じます。もっと普通にキレイな星空を見せるだけで多くのお客様は満足するのではないか、と思うのですが、そうはいかない理由が何かあるのかなぁ。そればかりでは差別化できず、リピーターも増えなくて商売にならない、ということなのかもしれないけれど、コレを見て「次また来よう」と思う人がいるのかなぁ…(疑問)…
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