初詣で成田山横浜別院へ行った後、ちょっとあたたまりに野毛を徘徊。さすがに閉じている店も多い中を日ノ出町駅の方へ戻ってくる途中で、新規開店っぽいお店を発見。提灯に書かれた「おでん・鯨」という不思議な組み合わせが気になって入店したら、タネ毎にしっかり調理してから出してくれる高級(?)おでん屋さんでした。
正月二日の野毛は、そこそこお客さんも出歩いているけれど閉じているお店も多く、ちょっと良さそうなお店はどこも満席。昼におせち料理をたっぷり食べたから焼き肉って感じじゃないしなぁ、とお店が見つからないまま大岡川近くを日ノ出町まで戻ってくると、店先に立派なランが置かれた新規開店っぽいお店を発見。
「おでんと鯨」を前面に押し出した「文次郎」は館内にあるお店が半月ほど前に出したばかりだそうで、真っ黒な外観に大きな提灯(赤じゃない)が目印の、ちょっとお洒落っぽい感じのお店。店の中は、右手が長いカウンター(すぐ後ろに壁が迫っているので、ちょっと行き来し辛い)で、左手はテーブル(座敷?)席がいくつか。全体的に黒基調で木を多用した抑えた雰囲気が「おでん」の語感とはアンマッチかも。
メニューの主力はもちろん「おでん」。肉・魚介・練り物・野菜など数多くのネタが値段別に分けて書かれているのですが、一番高いところになぜか「春菊」の文字(がんも・ちくわはもちろん、牡蠣よりも高価)。
よくイメージする「おでん」は「仕切りが入った大鍋の中に多くのネタが一緒に茹でられている」と思いますが、この店にはその様な鍋が見当たりません。注文するとネタ毎に出し汁に入って出てくるのですが、どうやらそれぞれ別々に小鍋で煮てから出してくれている様(そういえば、ネタによって最も美味しい煮込み時間が異なるし、また味が混ざるのを避けるため別々に出すお店が増え始めているらしい、と聞いたことがありました)。
で、気になった「春菊」。青々としたたっぷりの春菊が出汁に浸かった様子からはそれほど「特別」な感じはしませんでしたが、食べてみるとしっかり出汁を吸っていながらシャキシャキ感があって、ほろ苦さもあって、あぁ春菊ってこんなに美味しかったんだね、とビックリ。
他にもナスの田楽や魚の切り身の焼き物などもあって、どれも美味しくいただきました(残念ながら今回は鯨まで手が回りませんでした)。
また〆には土鍋ご飯などもありましたが、今回は「出汁焼きおに茶漬け」を選択。これは焼きおにぎりをおでん出汁(多分)に沈めたお茶漬けで、ちょっとだけ焦げ目がついた焼きおにぎりのまわりにはたっぷりの岩のりが浮いていて、実にいい香り。出汁もいい塩梅で、さすがおでん屋さんならでは。
割烹ほど敷居が高く無くて、でも出汁主力なのでいろいろ美味しい和食(一部洋食フレーバー入りも)を楽しめる、特に冬に嬉しいお店です。まだできたばかりなので店内の雰囲気がこれから常連さんなどによってどう変わっていくかはわかりませんが、機会があればまた訪れたい、良いお店に出会うことができました、
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