お正月に続いて2ヶ月連続で訪れた水戸。もちろん目的は「偕楽園」の梅。さすが名所を名乗るだけあって、枝振りも立派な梅の古木が群生する様子は素晴らしく、でも一方で「梅以外は何もない」不思議な公園でした(他の季節はどうするのだろう…?)。
さすがに梅の季節はどこもホテル満杯に違いない、と思って早めに金~土で予約しておいて訪れた「偕楽園」。残念ながら天気は曇り。でもそのお蔭+COVID-19に伴う国内外旅行客の減少の影響か(結局ホテルも土曜日に空室があったみたいだし)、人出はかなり少なめで、駐車場も待ち行列無しで、余裕のスタート。
まずはあの「黄門様」をお祀りする(でも、できたのは明治初期)「常盤神社」をお参りしてから(本殿右手の能舞台の奥に普通サイズのお雛様が飾ってあって、ちょっと不思議な光景でした)、園内へ。
東門から入ってすぐ左手には、TVなどで良く見かける芝生の「見晴広場」が広がり、そこから一段下がった千波湖と湖畔の梅林を見渡せます。
一方右手の梅林は、基本平地のお蔭でまるで「見渡す限りずっと梅」といった感じ。100種3,000本が植えられているそうですが、その多くが100年以上の古木だそう。いかにも「長年いろいろな経験を経て捻じ曲がった(!)」であろう見事な枝振りの梅があちこちに見られます。
暫く梅を眺めた後、見晴広場奥にある「好文亭」へ。ここは藩主が茶会/詩会などを開いたり、藩主夫人の万が一の避難所として作られた木造3F建ての和建築。各部屋では萩やツツジ、桜などが大きく描かれた立派な襖絵を見ることができますが、やはりそれ以上に素晴らしいのはここから見る風景。見晴広場からさらに少し盛り上がった場所にあるため、芝生(東)から千波湖(南)、さらに湖畔から延びる梅林(西)まで3方を遮るもの無く見通すことができ、まさに「絶景を楽しむためにある」感じ。
もちろん3方が障子で景色を楽しむことができる部屋「西塗縁」があり、そこでは抹茶をいただくことができるカフェがやっていたので景色を眺めながらちょっと休憩(欲を言うと、もう少し抹茶が暖かくて、また茶請けの吉原殿中がチョコレート味じゃなければもっと良かった)。
好文亭見学後、さらに杉林・竹林を抜けて、別名「黒門」とも呼ばれるらしい黒塗りの「表門」を抜けて、と、外周に沿って略園内を一周(実際には表門から鬱蒼とした林を抜けて好文亭に至るまでを「陰」とし、そこから梅林がある「陽」へ巡っていくのが本来のルートだそうなので、見事に逆走してしまった感じ)。
こうやって一周した後で最初に感じたのは「随分と単調なところ」。日本三名園と並び称される兼六園や後楽園は場所々々によって東屋や築山、池・小川などが異なる木々・植物とともに細かく造りこまれて様々な風景を見せてくれた感じがしますが、ここ偕楽園は好文亭の一角を除くとほぼ「梅」一色。確かにおおくの梅の古木が並ぶ様は圧巻ではありますが、少し見ている間にどこも同じ風景に見えてきてしまって、結局「梅」を見た、という感想だけが残ってしまう感じ。
逆に言うと、様々な人工物に頼るのではなく梅の自然一本に絞りきっている潔さ、とも言えるかもしれませんが、でも個人的には「日本庭園=細かいところまで計算しつくして職人が作りこんだもの」というイメージが強く、それとはこの偕楽園がちょっと趣が異なるかな、と感じました。
偕楽園を見たあと、弘道館脇にある「弘道館公園」へ。こちらも梅の古木が並んでいましたが、弘道館の白い土塀とのコントラストが映えて、より美しく見えました。やはり人工物が混じった方が自分の好みには合うみたい、と再認識。
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