台北動物園(台北,★★☆)

博物館

 台北旅行でガイドブックを眺めていたら「パンダがいる」ことを知り、台北動物園への立ち寄りを即決。よくよく考えると「本場」というにはかなり無理がある場所のハズだけど、本場らしく実に「当たり前の様に」いるパンダをじっくり、たっぷり堪能しました。

 パンダは言うまでも無く「珍しい」動物。絶命危惧種に指定されているため、ワシントン条約により国際取引は禁止されています。このため例えば今日本にいるパンダは全て「研究目的」の「借りもの」だし、子パンダは成長する前に返さなければいけません。
 だから「台北にパンダがいる」のは実はとても不思議なことなのですが、調べてみるとやはり「大人の事情」があった様です。

 台北動物園のパンダは中国政府から贈与を「提案」されたものだそう。曰く「台北への移送は国内なので全く問題ない = 台湾は中国の一部である」という政治的プロパガンダを込めた提案であり、台湾は一度断ったの
ですが、その後親大陸派の総統が当選した時に受け入れて、今に至っているとのこと。従って受け入れ後もいろいろ争論の対象になったりしていた様です。

 まぁそんな経緯はあるにせよ、本物のパンダが見られる絶好の機会なので、早起きしてMRTで動物園へ。車内は結構混んでいたので「やはり動物園は人気があるのだなぁ」と思っていたのですが、動物園駅に着く頃には乗客も疎らで、さらに動物園入口もほとんど人影無しの閑散とした状態。
 まぁ雨だし、平日(台湾は旧正月なので冬休みが始まっていない)だし、空いている方がコチラはうれしいし、ということで園内へ。

 園内に入っても人は少なく、また特にパンダの存在を大々的にアピールする看板なども見当たらず(寧ろコアラの方が目立っていたかも)、それでも他の動物に混じって掲示されている行先表示に従ってパンダ舎へ。

 ここかなぁ(でも特に目立つ掲示は無いしなぁ)と思いつつそれらしき建屋の横に回り込んでいくと、ガラス塀に囲まれた屋外展示ゾーンらしき場所。天気がいいとパンダはここに出てくるのかもね、などと話しながら通り過ぎそうになって、でもカメラを持った人が数人立っていたのでなんとなくガラス越しに覗いてみたら、ちょっと離れた樹上の台の上に白と黒の物体…
 !!!!!誰も騒いでいないし、誰も監視とかしていないし、誰も行列を作っていないし、なので見過ごすところでしたが、それは確かに生きているパンダ。こんなに無造作にいるの?とビックリしたけど、おかげでじっくり、見放題の本物のパンダ。

 まぁ、そうは言っても貴重な動物だからガラス越しになってしまうのは仕方がないね、ちょっとガラスについている雨水が邪魔だけど、と思いつつ写真を数枚。あれ?もしかして今いる台はガラス塀より高い?ということに気づいて展示ゾーンから遠ざかると、なんとガラスを通さず直接パンダを見通せることを発見。ここぞデジ一の望遠レンズの出番!ってことで結構たくさん写真がとれて、満足々々。

 パンダ舎の中はガラス貼りの檻があり、その中にも別のパンダ。こちらは手前から檻へ向かってジグザグに行列を作れるように柵が立てられていますが、前にいるのは遠足らしい小学生10数人だけ。
 一方で檻の中にいるパンダはかなり活発に動き回っており、おかげで小学生も歓声をあげながら右へ、左へとパンダを追いかけています。
 台湾のパンダは随分と元気だなぁ、と思って檻の中を覗くと、なんと内側の鉄格子のドアからパンダに向かってかなりの勢いでホースの水を吹き付けている様子。パンダはこの水に合わせて檻の中を走り回っているのですが、どうも良く見てみるとパンダは水を嫌って逃げているのではなく、水を追いかけて走り回っている様子。う~ん、こんな遊ばせ方もあるのか…

 こんな感じで気づいたら1時間近く、パンダだけ。行列は無いし、立ち止まらないでください、の様な制約も無く、(ちょっと遠いけど)ガラス越しでもなく…漏れ伝わってくる日本国内の様子と比べると、ちょっとパンダの扱いが荒くないか?と思わなくもありませんが、おかげで思う存分パンダ分を吸収し、他の動物には目をくれることもなく、大満足で園外へ。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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