ものづくりが盛んな浜松周辺で、バイクを中心に船外機やヘリコプターなど「内燃機関モノ」で存在感を発揮するヤマハ発動機の「コミュニケーションプラザ」を訪問。その成り立ちから重工や自動車メーカーとは一味違う「ものづくり精神」に触れられるか、と期待して行ったのですが、残念ながらちょっと趣旨が違った様。
私の場合「ヤマハ」というとピアノなどの「楽器」やスキー板・ラケットの様な「スポーツ用品」を思い出してしまうのですが、今回訪問した「ヤマハ発動機」はその「ヤマハ(旧日本楽器製造)」から昭和30年に分離独立した別会社。そうは言っても根っこは一緒だし、またバイクレースやかつてのF1へのエンジン供給など「とんがった」感が強い会社なので、きっと凝った展示モノが見られるのでは、と期待大。
お洒落な外観をした建屋の中は、1Fが現在世界中で売られている製品がズラリと並ぶ、ショールームスペース。バイクはもちろん、ボートなどのマリーン系や電動カート・車いす・自転車など多岐にわたる商品があり、また正面にはトヨタから開発・製造を委託されたエンジンを載せたトヨタ2000GTとレクサスLFAの2台。ヤマハ発動機の守備範囲の広さが見て取れます。
一方2Fは「企業活動と製品の歴史」と称して、企業としての歴史展示の他、ホンダと並び世界を席巻したレース・市販双方のオートバイが年代順にズラリ。
こんな感じで1Fも2Fも「現車」が豊富に展示されており、特にヤマハのバイク好きにとっては堪らない聖地とも言うべき場所なのでしょう(実際、ライディングスーツを着た来場者が多数)。でも…
残念ながら、企業の歴史はともかくとして、ヤマハのものづくりの思想やそのための工夫などに関する展示は本当に僅か。スペースの大半を「製品」が占め、ミュージアムではなくショールームといった感じ。webの説明では「コミュニケーション」を標榜していますが、残念ながら製品以外にメッセージを伝えるような仕掛けや展示が特に見当たりません(まぁ、よく見るとパンフレットの「コミュニケーション」パートには「カフェ」の紹介があるだけなので、推して知るべし、ということか…)。
ちなみに3Fは会議室とホールになっていて、ヤマハ発動機社員が業務で使っている様。その流れからか、如何にも胸章を下げた社員っぽい人達が普通に雑談しながらフロアを歩いていたり、ライブラリで我が物顔でコーヒーを飲みながら談笑していたり。「コミュニケーション」とはそういう意味なのかも…?
ということで、過去の歴史含めて「製品そのものを見たい」という人には最適なのだけど、でももう少し技術的な側面や社史・社風などを期待した自分にとってはちょっと違ったなぁ…というモヤモヤ感を抱きつつ、帰路へ。
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