JALの機体整備工場見学は、前半のビデオ見学を終えていよいよ後半の整備場へ。偶然にも、非常に珍しい機体を見ることができました。
ANAの整備場は1つでしたがJALは2つうを所有、運用しています。
1つめの整備場は、中央に柱が一本も無い(と思う)巨大な体育館の様な空間と、可動式の櫓(足場)に包まれた整備中の飛行機が数機。脇には取り外されたエンジンカバーや内装部品が並ぶなど、全体はANAで見た光景そのまま(まぁ、整備作業は規格化されているでしょうから、設備や作業風景も似たようなものになるのは当たり前か…)。
まずはヘルメット無しのまま2F通路から全体を眺めつつ説明を受けて、その後2つめの整備場へ向かうはずが、何やら案内係がバタバタ…
連絡通路の途中で一旦停止して、追加の案内。曰く「予定が変更になり、いなかったはずの機体が残っています。とても珍しい機体ですが、JAL機ではないので写真撮影可ですがSNSなどへ上げるのは禁止です」。
???なんだろう???まさか軍用機などが入ってるはずはないし…
扉を抜けて直ぐ目に飛び込んできたのは、宙に浮かぶ巨大な尾翼。描かれていたのは見慣れた「白抜きのツル」ではなく、真っ赤に塗りつぶされただけの大きな日の丸。
これはかつて日米貿易摩擦の時に緊張緩和を兼ねて日本政府が’導入した「政府専用機」。航空自衛隊所属で運用も全て自衛官が行っていますが(CA相当の仕事も)、整備はJALが委託されているため、運良く対面できた様。
機体は近年退役続きですっかり見なくなってしまったB747。久々目にしましたが、実に巨大(愛称”ジャンボ”ですから、ね)。特徴であるコクピット部の膨らみ(不思議とその後の機体デザインの主流にはなっていませんが)は当時「醜い」と言われていましたが、その後「全ての飛行機はB747!」と思えるくらいポピュラーになって見慣れてしまったせいか、このまま無くなってしまうのはちょっと寂しいかも(ちなみにこの政府専用機も今年で退役し、後継機はANA整備のB777となる予定)。
こちらの作業場は可動式の足場が無く、言わばガランドウ状態(だから”格納庫”と呼ぶ方が相応しいかも)。各自ヘルメットを受け取って、グランドレベルへおりて飛行機の周りを歩きながら見学。
政府専用機以外は特に柵などで囲われていない(一応自衛隊機なので指名者以外は立ち入り禁止、だそう)ので、かなり間近まで迫って自由に見学/写真撮影可なのはANAと同じで、飛行機好きには堪らない空間/時間。
一方で、説明される内容の大半は「(整備中の)飛行機について」で、設備や作業内容の説明はあまり無い、というのもANAと同じ。またこちらでも「JALでは…」「JALの方が…」という説明は無く、そういう意味ではJALもこの見学会を「(積極的な)広報活動」とは捉えていないのだなぁ、と思います。
こんな感じでJALの整備工場見学(どちらかというと「飛行機見学」!?)は事実上ANAと大差ない、というのが正直な感想です。
従って「ひたすら実機が見たい」という人にとってはどちらも同じくらい満足できる内容と思います。
一方で、見学開始前に見ることができるJALの「展示スペース」はANAには無い大きなアドバンテージです。コレを見ると「大きくなったらJALで働く!」って夢を描きたくなること間違いなし(!?)なので、+αを期待する方にはJALの整備工場見学が絶対のお勧めです。
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