ANA機体整備工場(★☆☆,羽田)後編;整備場見学

博物館

 前々から来たかった、ANA整備工場見学。前半のビデオ見学が終わり、いよいよ後半。10~15人くらいずつのチームに分かれてヘルメットを装着し、いざ整備場へ。そこは飛行機を間近で眺めることができる、ワンダーランドでした!

(残念ながら、ここから先の写真はANAの承諾が必要なので、しばらくは文書のみで)

 整備場はとにかく「思いっきり広くて、思いっきり天井が広い巨大な空間」で、今回はその中に4機の飛行機。
 飛行機のサイズは非常にバリエーションに富むので、それぞれの機体に合わせて自由に高さや場所を変更できる巨大な「移動式足場」があり、胴体~翼に寄り添うようにセットされ、そこを辿って整備士の人たちが作業を実施していきます。

 自動車と異なり飛行機は、故障・不調とは関係なく予め決められた飛行時間や離着陸回数ごとに分解して点検/修理~再組み上げする部位と項目が厳密に規定されています。そしてそれら作業の大半は航空機メーカーではなく、各航空会社がこの様な作業場を用意して、自前で実施します。
 ちなみに整備士が最も忙しい時間は、夜。考えてみれば当たり前ですが、国内線は昼間飛んで夜整備、となるし、また土日も関係なく飛行機は飛ぶので、休みも変則的にならざるを得ない、なかなか大変なお仕事とのこと。

 最初にキャットウォーク(っぽいところ)から整備場全体を眺めながら全体概要説明を聞いた後、実際にグランドレベルまで降りて整備中の各飛行機まわりを歩きながら見学が続きます。

 概略のコースは決まっている様ですが、例えば歩行者用通路が予めペイントされている、とか、見学エリアが柵で区切られている、ということはなく、その場の状況に応じて適宜引率者の指示に従いつつ(共通ルールは「機体・翼の下に入らないこと」)、かなり機体に近いところまで近寄って説明を受けます。また機体の近くには外したエンジン本体や分解したカウルなども並べられており、飛行機好きには堪らない、至福の時間。

 見学中の説明は、大半が現在整備中の飛行機について、大きさとか、あのアンテナはWiFi用だ、と小ネタ満載ですが、一方であまり整備場内の設備・装置類や実施中の作業の詳細などの説明はありません(まぁ、整備場にはあまり特殊な装置類があるわけではないし、また整備作業に関する細かい説明に興味を持つ人は少数でしょうけど)。
 また、説明の中身はビデオの時同様にあまり「ANA色」を感じるものではなかった様に思います。

 ビデオ~設備見学を通じて改めて感じたのは「自分は飛行機が大好き」ということ。そして、その飛行機を間近で、しかも部位によっては分解された状態で見ることができて、とても楽しい見学ツアーでした。

 一方でこの見学ツアーを「ビジネス」として考えた場合に疑問も。
 このツアーを通じて見学者に感じて欲しいであろう第一は「安心して飛行機に乗ってください」でしょう。でも、なぜか「ANAは…」とは言おうとしていない(様に感じる)。
 あるいは「安全」でなくても「ANAの方が快適」とか「便利」とか、ANAの優位性をアピールするものが一つくらいあってもいいのでは?と思うのだけど、それも無い。

 CSRの一環であって広報活動ではないから、という考え方かもしれませんが、せっかくこれだけの労力を割いているのだから、ちょっとくらいPRしてもいいんじゃないかな(勿体ないな)、と思いつつ、でも充分に飛行機の世界を満喫できたことに満足して、家路へ。

(追記)
ちなみに見学中はビデオ/スライド内容および説明員を除いてすべて撮影OK。ただしSNSやweb掲載は「許可制(載せたい写真をANAへ送って確認してもらう)」でした。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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