太陽の塔ミュージアム(★☆☆,大阪万博記念公園)

博物館

 急に1日だけ大阪の街を一人でぶらつくことになった前の日、google mapでとても懐かしい文字を見つけてクリックしたら、なんと復活して完全予約制で一般公開をしていることを発見。運よく予約できて、朝一で訪れることに決定。
 周囲の大半には「まだ生まれてなかったもん」と言われてしまう、1970年大阪万国博覧会。そのシンボルマークとして「芸術は爆発だ!」の岡本太郎先生が作った「太陽の塔」は、お祭り騒ぎが終わって全て片づけられてしまった後もそのままポツンと佇み続けて50年弱(うわぁ、そんなに昔のことだったんだ…)。

 日本中が「ばんぱく」へ行くことに熱狂していた当時、小学1年生だった自分も親に連れられて、僅か1泊2日ながら往きは飛行機&復りは新幹線、という夢のような行程で行ってきましたが、シンボルであり大人気だった「太陽の塔」には当然入ることはできず(どこもTDR以上の長蛇の列だったし、ね)。「中はこんならしい」となんとなくは見聞きしていたものの、確かめる機会が無いまま50年弱。そしてついに対面することに!!(大げさな…)

 塔の中はほぼ単一の吹き抜けになっていて、根元からてっぺんまで巨大な「生命の樹」が聳え立ち、それぞれの枝の上には原生動物から魚類,爬虫類,哺乳類を経て類人猿,人類まで模型/人形が下から上へ順に並び、全体で一つのオブジェとして構成されています(つまり、太陽の塔の中にあるのは事実上1個の展示物だけ)。
 博物館などでよく見かける生物の進化系統図を枝分かれした樹木に見立て、下から上へ時間の経過とともに生物が進化していく様をオブジェとして示すことで、生命の神秘と人類が生まれたことへの喜びと未来への期待を見事に表現しています(多分)。

 観客は10人単位で説明を聞きながら、巨大な作品に沿って下から上まで登って行きます。ただし説明してくれるのは「どんな構造になっているのか、1970年当時とくらべてどう違うのか」だけで、作品が持つ意味合いや岡本先生ら製作者の意図などに関する説明・文字は一切なく、それぞれが自分の目で見て好きな様に感じてもらう、という姿勢が貫かれています。

 さすがに多くの模型は当時のままとはいかず、修復/再制作したものに置き換えられ、また当時は複数あった動きのある模型も動きを止めてしまい、一方で技術の進化で当時よりも証明が多少明るく見やすくなった(当時は白熱球しかなかったから、火事が心配で多くつけられなかったのでしょうね)という変化はあるものの、極力全体として当時のままの雰囲気を残すように再生され、ついに今年(’18年)3月から再び一般公開されることになったそう。

 いわゆる美実品などとは異なるため「何度見ても飽きない/見惚れちゃう」というものとは別ですが(多くの人にとっては)、50年弱前作られたこの大きな作品が発するメッセージを一度は体感する価値あり、と思います。

(残念なのは、当時のエスカレータが全て階段に置き換えられてしまったこと。運動不足のの身には、ちと厳しいです)。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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