パリの軍事博物館に併設されている壮麗な教会に眠るのは、かのナポレオン1世。そもそも軍事博物館を正門側(多分、セーヌ川側)から見た時に特徴的に聳える尖塔は、軍事博物館そのものではなく背後のドーム教会のもの。折からの青空を背景に佇む教会は、観光名所の一つではありながら静かな空気に包まれています。
セントヘレナ島に流されて最期を迎えたナポレオンではありますが、墓地となっているドーム教会は壮麗そのもの。そもそもルイ王朝の時代に作られた教会だそうで、作りも内装も厳かながら煌びやか。中央部分が掘り下げられて、下から支えられる形で大理石(違った、赤瑪瑙だそう)の棺が安置され、背後には教会の祭壇が、また周囲には選考を讃えるレリーフなどが飾られる他、ナポレオン2世や他の将軍達も埋葬されています。
ナポレオンの遺体は没後一度埋葬された後に移送されたのですが、その際には「国葬」が営まれたということなので、やはりフランス人にとってのナポレオンは「英雄」なのでしょう。
ナポレオン自身に関する説明や遺品などが展示されているわけではなく、あくまでも「教会」の位置付けですが、彼の偉大さ(あるいは周囲からどれだけ英雄視されていたか)がよくわかる場所であり、一度は訪れる価値ありです。